土壌つち)” の例文
旧字:土壤
新しく掘り返されたような土壌つちと、根を出している雑草と、扁平たいらの磐石と、息絶えたらしい典膳の姿とがあるばかりであった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その声はまたも岩の下から、いや、岩の下の地の底から、一本の銀の線かのように、土壌つちを貫き、岩を貫いて聞こえて来た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
春陽に浸っている道了塚は、その岩にも、南無妙法蓮華経とってあるいしぶみにも、岩の間にこめてある土壌つちにも、花弁や花粉やらがちりばめられていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)