図無ずな)” の例文
旧字:圖無
その時彼は自分の身体の中に父の手までも見つけた。もっとも、父は足袋たびなぞも図無ずなしを穿いたと言われる方で、彼の幼い記憶に残るのは彼よりもずっと背の高い人であったが。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
足袋たび図無ずなしを穿いた程の人で、よく肩が凝ると言っては、庭先に牡丹ぼたんの植えてある書院へ呼ばれて、そこでお種が叩かせられたもので、その間に父の教えたこと、話したことは
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)