困阨こんやく)” の例文
今や、仏国の経過せざるべからざる危機の叢中において卒爾そつじとして問う者あり。曰くたれかかくのごとき困阨こんやくをば作出したるか。吾人はたれを罰すべきか。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
いつがきたならこの困阨こんやくを逃れて、苦しまないようになりましょうか、それをお知らせくださいまして、枯魚こぎょ斗水とすいを得るように、また窮鳥が休むに好い枝にくようになされてくださいませ
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
このことたるや実に困阨こんやくなり。艱難なり。危険なり。しかしてこれ今日の大勢なり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
昔は北条氏塩の販売を甲斐かいに閉ざし、これがために武田氏の困阨こんやくしたることあり。それ白刃前にあり。あに十指を断つを恐れんや。それつねに籠城の覚悟なり。つねに死地に立つものなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)