回々フイフイ)” の例文
金に光る回々フイフイ教寺院の月章。砂ぶかい大通り。駱駝らくだのむれ。三角の毛皮帽をかぶったキルギス族遊牧の民。カザクスタン共和国の、クリイム。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
十三世紀のマルコ・ポロ紀行にいわく尊者の墓へキリスト回々フイフイ二教の徒夥しく詣り尊者殺された処の土色赤きを採り帰って諸種の病人に水服せしも効験灼然いちじるし
いずれにもせよ四百年前回々フイフイ教徒のために奪掠せられたる旧都はふたたびその旧主人たるキリスト教徒の手に回復すべきはすでに歴史の眼中に髣髴ほうふつたるを見るなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
船における一切の事は、船長だけがトルコの回々フイフイ教の殿堂内における、サルタンと同様に知っているだけであった。より緊密でないことが高級海員に知られていた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
置き回々フイフイ教徒の祈るときのようにじっと雪にひれふしたままいつまでもいつまでも動かなかった。
なめとこ山の熊 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
仏教、基督キリスト教、回々フイフイ教等が亜細亜アジアに発したことは歴史上明白な事実であるが、ただに宗教のみならず、すべての学芸、美術はやはりその源を亜細亜アジアに発して、世界に波及したのである。
日本の文明 (新字新仮名) / 大隈重信(著)