噴火孔ふんかこう)” の例文
「おお、ルゾン号の船長さんですか。大学では、今こっちかられんらくしようと思っていたところでしたよ。大西洋は今、噴火孔ふんかこうの上にあるようなものですよ」
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
刻々とせまる暮色のなかに、嵐はまんじに吹きすさむ。噴火孔ふんかこうから吹き出す幾万斛いくまんごくの煙りは卍のなかに万遍まんべんなくき込まれて、嵐の世界を尽くして、どす黒くみなぎり渡る。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まるで火山の噴火孔ふんかこう熔鉱炉ようこうろ真唯中まっただなかに落ちこんだのと同じこと。まばゆさに目をあいていることも出来ぬ。鼻をつく異臭にむせて、息も絶え絶えの焦熱しょうねつ地獄だ。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ああ。あの上へ登ったら、噴火孔ふんかこうに見えるにちがいない。そうしたら、路が分るよ」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あッ、大きな穴がある。噴火孔ふんかこうみたいな大きな穴が……」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たしかに噴火孔ふんかこうのあとである。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)