噴井ふきい)” の例文
お島は湯をぬくために、冷い三和土たたきへおりて行った。目が涙に曇って、そこにあふれ流れている噴井ふきいの水もみえなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼は娘と入れ違いに噴井ふきいの側へ歩み寄って、大きなたなごころすくった水に、二口三口のどうるおした。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かれもこれも目を驚かさぬはなきに、車道の土瀝青アスファルトの上を音もせで走るいろいろの馬車、雲にそびゆる楼閣の少しとぎれたるところには、晴れたる空に夕立の音を聞かせてみなぎり落つる噴井ふきいの水
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)