唯貪ただむさぼ)” の例文
夫は心たけく、人のうれひを見ること、犬のくさめの如く、唯貪ただむさぼりてくを知らざるに引易へて、気立きだて優しとまでにはあらねど、鬼の女房ながらも尋常の人の心はてるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)