向陵こうりょう)” の例文
ともかくも当時秀才の登竜門とうりゅうもんだった一高の入学が叶って、首尾しゅびよく一高の健児けんじになりすまし、あらゆる文芸運動から遠ざかって、もっぱら向陵こうりょうの健児ということで、野次馬学に精進した。
親類を怒らせ、父母を泣かせて君が決然として哲学の門に邁進まいしんしたとき、私の心は勇ましく躍り立った。月日の立つのは早いものだ。君が向陵こうりょうの人となってから、小一年になるではないか。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)