同輩どうはい)” の例文
この野だは、どういう了見りょうけんだか、赤シャツのうちへ朝夕出入でいりして、どこへでも随行ずいこうしてく。まるで同輩どうはいじゃない。主従しゅうじゅうみたようだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
武蔵は同輩どうはい二、三とうち連れて、附近の山野を遊行しているうち、とある断崖の上に出た。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
口に出して言いつけられぬうちに、何の用事でも果たすような、敏捷びんしょうな若者で、武芸は同じ年頃としごろ同輩どうはいに、そばへ寄りつく者もないほどであった。それに遊芸が巧者で、ことにふえ上手じょうずいた。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)