吉原田圃よしはらたんぼ)” の例文
学校の帰り道には毎日のやうに待乳山まつちやま境内けいだい待合まちあはせて、人の知らない山谷さんや裏町うらまちから吉原田圃よしはらたんぼを歩いた………。あゝ、おいと何故なぜ芸者なんぞになるんだらう。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
気候が夏の末から秋に移つてく時と同じやう、春のすゑから夏の始めにかけては、折々をり/\大雨おほあめふりつゞく。千束町せんぞくまちから吉原田圃よしはらたんぼめづらしくもなく例年のとほりに水が出た。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)