合歓木ねむのき)” の例文
旧字:合歡木
その頃わが邦へ渡ったかの国人が、奥羽地方で合歓木ねむのきをかかる難地へ植えて砂防を完成すると聞き、帰国の上官へ告げて試むると果して竣功したという。
やはり同刻限に青年男女川の辺に集まり、手に手に合歓木ねむのきと大豆との葉を持ってこれを水に投込み
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
源右衛門の家の背戸は、葉の落ちた野茨のいばら合歓木ねむのき、うつぎなどの枝木で殆んど覆われている。家の腰を覆うて枯蘆もぼうぼうと生えている。はね釣瓶つるべの尖だけが見える。
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
母が没した後父と来たとき植えさせた合歓木ねむのきが風に吹き折られもせず一丈ほどに成長している。
他所では少なくともネブタは合歓木ねむのきと睡魔とを意味し、マメはまた豆と壮健とを意味していた。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
合歓木ねむのきがその崖に枝垂れて花咲いたりする眺めもある。
犬三態 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
つまりはネプタを合歓木ねむのきのことだと、考えなくなってからの空想が元らしく、その終りのはやしのダサバダセヨは、青森市中で流行っている「エッペ出せ出せ」のおかしな言葉と共に
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)