右掌みぎて)” の例文
よろしいと言う代りに、隊長は彼の方を見ないまま右掌みぎてをあげてわずか振った。敬礼をし、扉を押し、彼は一歩一歩階段を降りた。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
ことに、右掌みぎての無名指を折り曲げていた、非常に不安定な形だったので、絶えずクリヴォフ夫人の心理からなんらかの表出を見出そうとしていた僕は、それを見て思わず凱歌を挙げたものだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そのとき私は、右掌みぎてを、しっかり握っているのに気がついた。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)