台閣だいかく)” の例文
曾は思いあがってきて、すっかり気をおとして帰ったが、それから台閣だいかくの想いはあわいものになった。そして山へ入ったが終った所がわからなかった。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
台閣だいかく諸侯、奉行輩、奢侈に耽り無為に日を暮らし、近世珍らしい大飢饉が、帝の赤子を餓死させつつあるのに、ろくろく救済の策さえ講ぜず、安閑として眺めている。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
可哀想なる地底ちていの坑夫よ。気の毒なる店頭の人、デスクの人よ。笑止なる台閣だいかくの人よ。羨む可き爾農夫よ。爾の家は仮令豕小屋に似たり共、爾の働く舞台は青天の下、大地の上である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ユウゴオ咈吁ふつくとして答ふらく「天才なり」と。バロツシユその答にやいきどほりけん傍人ばうじんささやいて云ひけるは、「このユウゴオ氏も聞きしにまさる狂人なり」と。仏蘭西フランス台閣だいかくまた這般しやはんの俗漢なきにあらず。