可相成あいなるべく)” の例文
沙汰書さたしょに——向後、土地墾闢こんぺき、人民蕃殖はんしょく、北門ノ鎖鑰さやく厳ニ樹立シ 皇威御更張ノ基ト可相成あいなるべく——とあり、黒田清隆の上書にもちゃんと明記されている
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
ついてはさきに申上そろトチメンボー及び孔雀の舌の御馳走も可相成あいなるべくは右発見後に致したくすれば小生の都合は勿論もちろん、既に胃弱に悩み居らるる大兄の為にも御便宜ごべんぎかと存候ぞんじそろ草々不備
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また良性の肉腫に於ても漸次大を増して小児頭大しょうにずだいに達し、精系に進入して悪性腫瘍に転位するもの故、有痛無痛に関らず、肥大の形勢にあるものは、可相成あいなるべくは速かに摘出するがよいとある。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これは小生兼て申上置もうしあげおき候通り多ければ下より御削り可相成あいなるべく候。御忘れありしか如何。もし出来得べくんば四等以上にも出たる人の句を削り、その外のかつかつ五等及第の句のみを残せばなお宜し。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)