取付端とっつきは)” の例文
書林の奴等やつらに何程の智恵もありはしない、たかの知れた町人だ、何でも一切いっさいの権力を取揚とりあげて此方こっちのものにしてろうと説をさだめた。定めたはいが実は望洋の歎で、少しも取付端とっつきはがない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
くだらぬ事に大きな声をして、聞かれぬ話をして、面白そうにしてる中に、私一人は真実無言、丸で取付端とっつきはがない。船は安芸あき宮島みやじまついた。私は宮島に用はない。ただ来たから唯島を見にあがる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)