叔父しゆくふ)” の例文
其名が周山世成しうざんせいせいであつた。三世成美は叔父しゆくふの死んだために家を継ぐこととなつた。其初の名は周迪成美であつたと云ふのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
叔父しゆくふ、叔父。ご無事ですか。さきにお別れしたきり小姪しょうてつ疎遠そえん、その罪まことに軽くありません。ただ今、お目にかかってお詫び申すつもりです」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
賢之助は致仕正寧まさやすの長男で、即伊予守正教まさのりである。先代正弘は棕軒正精まさきよの六男で、正寧の弟であつたから、正教は叔父しゆくふのちを承けたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
計画とは山陽の父春水等の計画を謂ふ。春水等は山陽の叔父しゆくふ杏坪をして浅野家の執政に説かしめ、山陽の京都より広島に帰ることを許さしめむとしてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)