双髩さうびん)” の例文
色光沢いろつやの悪い皮膚が、脂じみたまま、険しい顔の骨を包んで、霜に侵された双髩さうびんが、わづかに、顳顬こめかみの上に、残つてゐるばかり、一年の中に、何度、床につくか、わからない位ださうである。
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)