厚羅紗あつらしや)” の例文
一台のそりは朝早く扇屋の前で停つた。下りた客は厚羅紗あつらしやの外套で深く身を包んだ紳士風の人、橇曳そりひきに案内させて、弁護士に面会を求める。『おゝ、大日向が来た。』と弁護士は出て迎へた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)