印傳いんでん)” の例文
新字:印伝
平次はズラリと並んだ越前屋の奉公人の鼻先へ、何の技巧ぎかうもなく、死體の下にあつた印傳いんでんの煙草入をズイと出したのです。
煙草入は印傳いんでんの洒落れたかますで、赤銅しやくどうの金具、銀の吸口を見せた短かい煙管まで、滅多にまぎれる品ではありません。
懷中煙草が一つ——印傳いんでんかます赤銅しやくどうあぶの金具を附けた、見事な品を町役人は平次に渡しました。