“印伝”の読み方と例文
旧字:印傳
読み方割合
いんでん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父親は思案にあぐねて来ると、道楽をしていた時分こしらえた、印伝いんでんの煙草入れを角帯の腰にさして、のそのそと路次を出て行った。行く先は大抵決まっていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
懐中煙草が一つ——印伝いんでんかます赤銅しゃくどうあぶの金具を付けた、見事な品を町役人は平次に渡しました。
甲州は海を有たない山国で、甲府はその盆地ぼんちに位する都であります。町を歩いて店をのぞきますと、他の国には見かけないものが二つあります。一つは水晶細工すいしょうざいくで一つは「印伝いんでん」であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)