区別けじめ)” の例文
旧字:區別
……今日では、もはや、武家、町人と区別けじめを立てる時節でもなく、町家でも手堅い家であり、また気立ての好い人物ひとならば、綾を何処どこへでもお世話をお願いしたい。
しかしそれも夢だったのか事実だったのか、その区別けじめがはっきりしない。また考えるのがうるさくなって舌打ちをすると、テーブルの上の新聞を取り上げて気もなく眺め廻す。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「これまでそちに暇あるごとに、修験の大綱を話して聞かせたのう。……さてそこで今度逢うまでに『三種成仏』の三種の区別けじめを、よくよく考えわきまえて置いて、お前からわしに話しておくれ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)