匆忙そうぼう)” の例文
おしつまって来るほどに匆忙そうぼうとして日は暮れる、とこけてある水仙——もしくは鉢に植えてある水仙——も、その多忙のために余りかえりみる人がなくって
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
そこで、いいわけするが、福原旧都といい、大輪田ノとまりといい、一ノ谷古戦場群といい、この附近には、余りに史蹟が多すぎる。匆忙そうぼう半月のコースには組みきれない。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戦陣匆忙そうぼうのさいだ。首は武者の母衣ほろで包まれ、血糊のりがにじみ出している。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉はその匆忙そうぼうな間、至極にやにやしていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)