加担人かとうど)” の例文
旧字:加擔人
甚吉 一揆の加担人かとうどか。こんな時、下手まごつくと首が飛ぶし、それかというて、後込しりごみしとると一揆からひどい目にあうしのう。
義民甚兵衛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「そうかえ、それはいいことをしておくれだったねえ。……来栖勘兵衛は強い男なのだから、わしには、どうしても加担人かとうど入用るのだよ」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし、ひるみ騒ぐらしい動揺はなく、宗像むなかたの大宮司も、一族百余人を、加担人かとうどに提供し、また、秘蔵の黒鹿毛くろかげの駒を
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そう言って母の不摂生ふせっせい加担人かとうどをいたします。それで母の病気は少しよくなると、またぶり返すのでした。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
いかにまことのさまであったとて、その奇矯な振舞いは人を白痴こけにするにも程があると先生を失せさした山まで加担人かとうどのように憎まれ、一たんは山におもてを背けます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「それからお父様は、来栖勘兵衛がわしを討ちに来るから、旅の浪人などが訪ねて来たら、逗留させて、加担人かとうどにしろと。……それでわたしは、訪ねて参られた浪人衆を、お泊めいたしましてございます」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なおまた、これら途上からの加担人かとうどが、いずれもいうには
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでわたくしは、一通りのことなら誰人の調法にも親切に身を入れて加担人かとうどになるこの番頭が頼み易く思われるので、いまからわたくしのためにお風呂を沸して呉れるよう頼みました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)