)” の例文
あかっぽく薙いだ「崩れ」が、荒々しくぐられて、岩石と一緒に押し流された細い白樺が、揉みくしゃに折られて、枝が散乱している。
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
ぐられたとこが多い、「今夜の泊まりはあすこだ」と霧のもつれ合っている間から、涸沢からさわの谷底を眼の下に見て、嘉代吉が指さす、その霧のぴしゃぴしゃささやぐ間を
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
黒沙の土がぐられたように凹んでいる、黒沙を穿つと、その下にも結晶した白いのが、きらりと光る、山体が小さく尖って来るほど、風が附き添って攀じ上り、はやく吹きなぐるので
雪中富士登山記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)