到津いたつ)” の例文
今、長岡佐渡の邸へ、挨拶をすまして、侍小路から伝馬河岸てんまがしへ出、到津いたつの浜の方へ降りて行った武蔵のうしろ姿へ——その声のぬしは、手を振っていた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵と加賀四郎とは、そこらの茶店先で日の暮るるを待合せ、やがて宵の星空の下を、加賀四郎の案内で、街から小半里ほどある到津いたつの橋のたもとまで導かれて行った。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨夜ゆうべ到津いたつの河原へ武蔵を迎えて飲んだという六名の仲間も、佐渡にいわれて探し歩いていた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)