切果きれは)” の例文
破目やれめや節穴の多い板戸の前を抜けて、総井戸の釣瓶つるべがしとしとと落つる短夜のしずくもまだ切果きれはてず、小家がちなる軒に蚊の声のあわただしい湯の谷を出て、総曲輪まで一条ひとすじこみちにかかり
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)