切下きりさ)” の例文
天蓋を払ったその人物、漆黒しっこくの髪を紫のひもでくくった切下きりさげ、月のせいもあろうか色の白さは玲瓏れいろうといいたいくらい、それでいて眉から鼻すじはりんとした気性の象徴しょうちょう
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
普化ふけ宗衣しゅうえを着ていれば、髪も切下きりさげでなければならぬが、黒紬くろつむぎ素袷すあわせを着流して、髪だけがそのままでは、なんとなく気がさすし、そこらをウロついている原士はらしの眼を避ける上にも
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かしら切下きりさげ、無紋の黒着くろぎ、腰から二本の蝋色鞘ろいろざやがヌッとうしろへ立っている。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)