出逢であい)” の例文
お前が言う通り、桜井がこの節は毎日のように乃公の留守を附狙つけねらって入込むという証拠には、どうだ二人で出逢であいをしているところを乃公に見せてはくれまいか。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と、ある晩、逢ったとき、出逢であい茶屋の二階の灯の下で、長二郎は、いいかけた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
某この年頃諸所を巡りて、数多あまたの犬とみ合ひたれども、一匹だにわが牙に立つものなく、いと本意ほいなく思ひゐしに。今日不意ゆくりなく御身に出逢であいて、かく頼もしき伴侶ともを得ること、まことなき父の紹介ひきあわせならん。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
またとないこの出逢であいを、そう穿うがってお考えでない。