“冬靄”の読み方と例文
読み方割合
ふゆもや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かねの橋のそばの富竹という寄席には、横浜生え抜きの落語家はなしか桃太郎と千橘せんきつの招き行燈が、冬靄ふゆもやのなかに華やかな灯の色を見せて揺れていた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
かぶとは背に負い、烏帽子だったので、まだうらうらと冬靄ふゆもやの高きにはあがっていない太陽が彼の顔をまともから染めていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
冬靄ふゆもやが紫にうるんだような色の絹のカーテンが、一枚ガラスの広い窓に垂れかけられて、しっとりと光っているところに金文字でカフェーナショナルと表わしてあった。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)