内蔵うちぐら)” の例文
旧字:内藏
南と東の戸をあけて夫人は聴聞の席にした。それは寝殿の西の内蔵うちぐらであった。北側の部屋へやに各夫人の席を襖子からかみだけの隔てで設けてあった。
源氏物語:41 御法 (新字新仮名) / 紫式部(著)
富士見ふじみにあるを内蔵うちぐらととなえ、蓮池はすいけにあるを外蔵そとぐらととなえたが、そのうち内蔵にあった一千万両の古金をあげてこの進発の入用にあてたというのを見ても
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
廊下続きの内蔵うちぐらで、廊下の雨戸は外から破られ、主人の部屋から持出した鍵で、二重の締りを易々やすやすと開け、中から明日の用意に積んであった千両箱を五つ、物の見事に持出してしまったのです。
内蔵うちぐらの中へ敷き物を一つお敷かせになって、中から戸に錠をかけておやすみになった。
源氏物語:40 夕霧二 (新字新仮名) / 紫式部(著)