典馬てんま)” の例文
……だが、今から四年前、あいつが十七歳の時に、おれの兄貴の辻風典馬てんまでさえ、打ち殺された相手だと考えると——下手へたに手出しは出来ねえと考えたものだから
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「下手人は辻風典馬てんまだと、世間であんなにいっているのが、おまえの耳には聞えないのか。いくら野武士の後家でも、亭主のかたきの世話になるほど、心まで落魄おちぶれてはいない」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辻風典馬てんまは、炉ばたへ坐りこんで、乾児こぶんたちの家捜やさがしするのを、眺めていたが
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)