公魚わかさぎ)” の例文
私はすぐに公魚わかさぎと直感した。川へ上るのは産卵のために相違ないし、そんな早春に産卵する魚は公魚以外にはない筈だからであつた。
釣十二ヶ月 (新字旧仮名) / 正木不如丘(著)
そこで想い出すのは公魚わかさぎである。公魚は氷魚と同じにこれから冬に入って季節となるが、東京市民の口に入るものは、多く土浦の霞ヶ浦産である。
氷湖の公魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
茅沼ちぬま鯛といつて種類が多いが、これは四五月から十月まで全国一斉に釣れ始め、そのアタリの荒く強いので、面白い魚であるが、例へばアマゴといふ魚は関東にはなく、確かに公魚わかさぎだらうと思ふ魚が
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
最近知ったことであるが、榛名湖で釣れる公魚わかさぎは本場の霞ヶ浦でとれるものよりも、骨が柔らかである。これも榛名湖の水温が低いためであろう。
水と骨 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
それから線路は千曲に沿ふて、公魚わかさぎの穴釣の松原湖駅まで。
釣十二ヶ月 (新字旧仮名) / 正木不如丘(著)
また、いまは公魚わかさぎの季節だ。富士の山中湖や、上州の榛名湖では氷の上でこの公魚が釣れる。銀鱗の底に紫色の艶が光って、まことにおいしそうである。これをチリの材料にすると大そうよろしい。
釣った魚の味 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
諏訪湖上、公魚わかさぎ船釣。十月の湖水は
釣十二ヶ月 (新字旧仮名) / 正木不如丘(著)
氷上の公魚わかさぎ釣りも、趣が深い。釣りあげて氷上に放つと、忽ち棒のように凍った公魚は、細かい鱗の底から、紫色に光る艶を放って、鮮麗な小魚である。天ぷらによし、塩焼きによし、汁物によし。
わが童心 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
榛名湖の公魚わかさぎ釣りは非常に繁盛である。
榛名湖の公魚釣り (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)