入代いりかわ)” の例文
下では幾流れとなく板を並べた上に食器を並べて、避難民式に雲集うんしゅうした書生や壮士が入代いりかわ立代たちかわり飯を喰うので毎日毎日戦争のような騒動である。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
入代いりかわ立代たちかわり、いろんな人が、いろんな怪談を聴かしてくれたけれど、僕にとっては、これ以上の怪談、これ以上の物凄い話、これ以上の悲しい、痛ましい、哀れな話はなかった。
友人一家の死 (新字新仮名) / 松崎天民(著)
それから入代いりかわり立代り来る頭山翁の訪客を、奈良原翁はジロリジロリと見迎え、見送っていたが、やがて床の間に置いてある大きな硯石すずりいしに注目し、訪客の切れ目に初めて口を開いた。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)