先導せんどう)” の例文
以後牢人ろうにんしていた本多正信が、郎党十名ほど連れて、家康を伊賀山麓さんろくに迎え、そこから、先導せんどうに立って、道案内に努めてくれた一事である。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
偵察隊は、まず左門の遺骸いがいをほうむったぶなの木のほとりからだちょうの森に進んだ。フハンはうれしそうに先導せんどうしていたが、たちまち耳は張り、地に鼻をつけて、異常いじょうなにおいをかぎだした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
十六歳の夏、兄と阿蘇あその温泉に行く時、近道をして三里余も畑のくろ草径くさみちを通った。吾儘わがままな兄は蛇払へびはらいとして彼に先導せんどうの役を命じた。其頃は蛇より兄が尚こわかったので、ず/\五六歩先に立った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「が、先導せんどうには少弐頼尚よりひさ、大友、島津、大隅おおすみらも加勢のこと」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)