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元柳橋
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もとやなぎばし
大川端なる
元柳橋は水際に立つ柳と
諸共全く跡方なく取り払われ、
百本杭はつまらない石垣に改められた。
其の儘
戸外へ飛出して直に
腕車に乗り、ガラ/\ガラ/\と両国
元柳橋へ来まして
しかして
両国橋よりやや川下の
溝に小橋あって
元柳橋といわれここに一樹の
老柳ありしは柳北先生の同書にも見えまた
小林清親翁が東京名所絵にも描かれてある。
桜の花さく
河岸の眺め(第五図)は直ちに新緑
滴る
元柳橋の夏景色(第六図)と変じ、ここに
包を背負ひし男一人橋の欄干に腰かけ扇を使ふ時、
青地の
日傘携へし女芸者二人話しながら歩み行けり。