わっし)” の例文
ほかの者なら頷けるが、その女が何でこっちの為になるようなことを働くのか、どうもわっしにゃ合点が行きません
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なあに、鳥沢の親分がやったんじゃあございません、わっしが慰みにやってみたんでございます」
「ありますが、わっしも未だ荷車を引くほど落ちぶれない積りです」
一年の計 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「そのご返辞を聞いて、わっしたちは百人力の気が致します。話が決まったら、町奴に湿ッぽいなあ禁物、景気よく飲んで、派手に一つ騒ごうじゃありませんか」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なあに、わっしが悪かったんでございますから、殺されたって仕方がねえんでございますから」
わっしはこれで御免蒙りますよ」
一年の計 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ゆうべ、弦之丞様が代々木からお帰りなすって、いよいよ阿波へ立つ日も近づいたぞ——とわっしへおっしゃった一言ひとことを聞いてすら、今日はもう、早速、妻恋坂の家を
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わっしの知ってる野郎にかなりの呑抜のみぬけがあって、親不孝の方にかけちゃ、ずいぶん退けを取らねえ野郎ですが、或る時、くらい酔って家へ帰ると、つい寝ていた親爺の薬鑵頭やかんあたまを蹴飛ばしちまいましてね、あ
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「さ、それだからわっしもまた、いっそうあなたのお体を、お案じ申すのでございます」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)