保羅ぽうる)” の例文
保羅ぽうるはクッションにぐったりと背をもたせかけたままひとことも口をきかない。自分だけの物思いに深く沈潜しているようだった。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
……それから、保羅ぽうるさんに、礼奴れいぬさん、そんな吃驚びっくりしたような顔をして、ウロウロしていないで、元気よく歌でもお唄いなさい。
槇子まきこ麻耶子まやこあずささんをはじめ五人のやんちゃなお嬢さんたち。秋作氏。久世くぜ氏。保羅ぽうるさんに礼奴れいぬさん。四人の科学者たち。それから、まだ続々。
家庭的にたいへん不幸なひとらしく、保羅ぽうるという、やはり混血の兄がひとりいるということのほか、自分の家庭についてはなにひとつ話さなかった。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
兄の保羅ぽうるのほうは、母親をひとり残して置けないといって、どうしても日本を離れませんでした
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
レエヌさんと保羅ぽうるさん。……碧い池の水にあぶなく呑まれかかったあずささん。