侮蔑さげすみ)” の例文
軍国主義、愛国心、アナアキストの捨鉢すてばち行為ふるまひ、人殺しの美しい思想、そしてまた婦人に対する侮蔑さげすみ——かういふものをすべて歌ひたい。
わたしは一倍も高い櫃台デスクの外から著物きものかんざしを差出し、侮蔑さげすみの中に銭を受取り、今度は脊長けと同じ櫃台デスクの前へ行って、長わずらいの父のために薬を買った。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
たちまちにして侮蔑さげすみの恥目あらむと。
歌よ、ねがふは (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
未来派の詩人マリネツチはこんな事を言つたが、ほかの事はかく婦人をんなに対する侮蔑さげすみを思はせるだけでも、戦争は吾々にとつて鉄剤同様一種の健康剤たるを失はない。
と言ひ合はせたやうに侮蔑さげすみの念を抱いてゐるらしいが、これは以つての外の見込違ひだ。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)