依稀いき)” の例文
依稀いきたる細雨さいうは、濃かに糺の森をめて、糺の森はわがめぐりて、わが家の寂然せきぜんたる十二畳は、われを封じて、余は幾重いくえともなく寒いものに取り囲まれていた。
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかも依稀いきたる活気を帯ぶ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)