伊達者だてしや)” の例文
主人の源吉は三十そこ/\、歌舞伎役者にもないといはれた男振りと、藏前の大通達を壓倒する派手好きで、その頃江戸中に響いた伊達者だてしやでした。
リン家のヘンリイとフレドリックは、實に、めかしたてゝ意氣いき伊達者だてしやだ。デント大佐は立派な軍人らしい人、地方長官のイィシュトン氏は紳士らしい人だつた。
背の高い陶器師すゑものしが、自分の商品の後ろからのろのろしたあしどりで歩みながら、絶えず、伊達者だてしやで蓮葉な陶器どもに、いやがる乾草をかぶせかぶせするのを、羨ましさうに眺めやつた。
殿は伊達者だてしやい男
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
主人の倉松は三十五六の大家の主人らしい寛厚な感じのする働き者、店構への立派さ、住居の行屆いた調度など、さすが下谷で何番と言はれる伊達者だてしやだけのことはあります。
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
事實伊達者だてしやつうすゐといはれる人達の内部生活が、思ひの外に貧しいのを、平次はマザマザと見せ付けられたやうな氣がして、これ以上追及する氣もなくなつてしまひました。