人情咄にんじょうばなし)” の例文
われ講釈と落語に新しき演劇風の朗読を交へ人情咄にんじょうばなしに一新機軸をいださんとの野心を抱き、その頃朝寝坊むらくと名乗りし三遊派の落語家の弟子となりし事もあり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
なまけ学生だったに違いないのは、本箱に入れてあるものは、三遊亭円朝さんゆうていえんちょう作の人情咄にんじょうばなしだった。
役者の似顔絵で知られていた絵双紙えぞうしやの、人形町の具足屋ぐそくやでは、「名物人気揃」と題して、人情咄にんじょうばなしの名人三遊亭円朝えんちょうや、大阪初登り越路太夫こしじだゆう(後の摂津大掾せっつのだいじょう)とならべて綾之助の似顔をりだした。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)