五六歳いつつむつ)” の例文
この季節きせつに農家を訪えば大抵たいていは門をしめてある。猫一疋居ぬ家もある。何を問うても、くる/\とした眼をみはって、「知ンねェや」と答うる五六歳いつつむつの女の子が赤ンぼうと唯二人留守して居るうちもある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
さるはその真ならんよりなほ夢のうちなるべきを信ずるの当れるを思へるなり、美しさも常に増して、夢に見るべき姿などのやうに四辺あたり可輝かがやかしく、五六歳いつつむつばかりもわかやぎて、その人の妹なりやとも見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)