二枚続にまいつづき)” の例文
役者似顔一枚絵ならび二枚続にまいつづきはその彩色さいしき濃艶ならざる処かへつて国貞が晩年(三代豊国)の作にまされり。美人風俗画においても六郷川渡船三枚続ろくごうがわわたしぶねさんまいつづきの如きいささか寛政名手のおもかげなきにあらず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
芳年よしとしの月百姿の中の、安達あだちヶ原、縦絵二枚続にまいつづき孤家ひとつやで、店さきには遠慮をするはず、別の絵を上被うわっぱりに伏せ込んで、窓の柱に掛けてあったのが、暴風雨あらしで帯を引裂いたようにめくれたんですね。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)