二日路ふつかじ)” の例文
秋は早い奥州の或山間さんかん、何でも南部なんぶ領とかで、大街道おおかいどうとは二日路ふつかじ三日路みっかじも横へ折れ込んだ途方もない僻村へきそんある寺を心ざして、その男は鶴の如くにせた病躯を運んだ。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
伊吹までは、あと一日半か二日路ふつかじである。伊吹の城にさえたどりつけばと、とくに仲時は細心であったが、やはりこの日も先々で野伏の襲撃は依然まぬがれえなかった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「西国街道がぬかッたひには、二日路ふつかじが三日もかかる。ま、上をおりなさらぬか」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「日ごろの旅で急いでも、二日路ふつかじほどはござりますれば」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)