二人前ににんまえ)” の例文
或日あるひ正寧がたまたまこの事を聞き知って、「辞安は足はなくても、腹が二人前ににんまえあるぞ」といって、女中を戒めさせたということである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「いない、いない、どこかへ行っちまった。あの奥さんなら二人前ににんまえぐらいふとってるんだから、すぐ分るはずだけれども、やっぱりいないわよ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それでは天ぷらを二人前ににんまえ
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「それからボイにおいトチメンボーを二人前ににんまえ持って来いというと、ボイがメンチボーですかと聞き直しましたが、先生はますます真面目まじめかおでメンチボーじゃないトチメンボーだと訂正されました」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)