事訳ことわけ)” の例文
御朱印付の天神様境内で喧嘩してもお前さんも立派な先生、私も角力の端くれ、事訳ことわけ知らぬ奴じゃ、天神様の社内をけがした物を知らぬといわれてはお互に恥じゃ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この間奥畑の訪問を受けて以来の事訳ことわけを語り、雪子ちゃんの縁がきまってからでよいので、急ぐことではないけれども、いずれあの二人は一緒にさせなければならないであろう
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「姉さん、今いろいろあんたはんから聞きました事訳ことわけはあらまし私から兄さんにお話して兄さんも心よう納得してくりゃはりましたよって、それはどうぞ安心しておくれやす……」
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「そうだとすると、事訳ことわけが大分わかるのですが。……」といって、まだずっと以前初めて女に案内せられて、祇園町ぎおんまちの、とある路次裏に母親に会いに往った時の最初の印象を思い浮べてみた。
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)