事理わけ)” の例文
自分で忰の事をかれこれ申すのはなものだが、忰は事理わけの分った奴で、けっして後で御迷惑になるような取計とりはからいは致しますまい。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すなわち事理わけのわからぬやつはますますわからなくしてやるという、すこぶるきつい御言葉です。
「大石内蔵助か。あの男なら、もっと事理わけが分かっているはずだ。わしを討つよりか、家再興の運動でもすると思うが。わしを討ってみい、浅野家再興の見込みは、永久に断たれるのだが」
吉良上野の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そんないやしい人間と思われちゃ、急がしいところをわざわざ来た甲斐かいがない。君だって教育のある事理わけの分った男だ。僕を
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
事理わけを聞いて見ると、気の毒であつたから、国から送つてばかりの為替かはせを五円引いて、余りは悉くして仕舞つた。まだ返す期限ではないが、広田の話を聞いて見ると少々心配になる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
事理わけを聞いてみると、気の毒であったから、国から送ってきたばかりの為替かわせを五円引いて、余りはことごとく貸してしまった。まだ返す期限ではないが、広田の話を聞いてみると少々心配になる。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)