久圓寺くえんじ)” の例文
さりとて山の中に人家じんかはない筈である。亭主は不図ふと思ひあたつた。この女は久圓寺くえんじに住んでゐるに相違ない。山のとうげには観音かんのんまつつた寺がある。女はなにかの仔細があつて其寺に隠れてゐるか。
小夜の中山夜啼石 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)