主座すざ)” の例文
直義を深く心服させているだけでなく、宮中にまで隠然たる勢力をもち、夢窓を追って、やがては天龍寺の主座すざに坐ろうとしている野望の怪僧かとも考えられた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ御退却のさい、渡辺橋にて戦歿した敵味方のための供養の布施ふせにと、芳志ほうしのご寄進がありましたので、七日間の大般若経転読をいとなみ、今日も主座すざ以下、勤行ごんぎょうの最中にござりまする——と。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつにもまして、主座すざの高時は、上機嫌だった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)