中村是公なかむらぜこう)” の例文
余が旧友中村是公なかむらぜこうを代表する名詞としては、あまりにえら過ぎて、あまりに大袈裟おおげさで、あまりに親しみがなくって、あまりにかどが出過ぎている。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
伊藤公が、金の飾りのついた洋杖ステッキをかたわらに、何か書いた紙片を満鉄総裁中村是公なかむらぜこう氏、宮内大臣秘書官森泰二郎氏に示している。漢詩人森槐南もりかいなんが微吟する。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
そうしてその差出人は満洲にいる中村是公なかむらぜこうであった。他の一通を開けて見ると、やはり無事御帰京を祝すと云う文句で、前のと一字の相違もなかった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
神田猿楽町さるがくちょうの或る下宿屋に、今の南満鉄道の副総裁をして居る、中村是公なかむらぜこうという男と一所いっしょに下宿していたものであるが、朝は学校の始業時間がきまって居るので、仕方なく一定の時間には起床したが
私の経過した学生時代 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)